一 片

僕が流した涙は
決して君のせいじゃない
そういつでも飛べるように
全て壊してしまったからだ

軽くなった心には
苦しみも恐怖もない
あるのは深い哀しみと
セピア色の思い出だけだ

君が流した涙は
決して僕のためじゃない
そういつかは枯れるように
過ぎた時間を悔やんでいるだけ

失った希望には
輝きも後悔もない
あるのは深い暗闇と
敷かれた2本のレールだけ

ぼやけた視界に映るのは
瓦礫に咲く花ひとひら

白い小さな花ひとひら