まどろみ
振り落とす事は
簡単
だった
只 肩を並べた
あの人
を
裏切る
のが恐かっただけ
切り離す
事は容易にできた
只 流れ出る
紅い血
を
目にするのが
恐かった
だけ
蒼い河
が覗く崖の上
誰かの
両手
に突き落とされて
堕ち行く視界に
紫の花
を見た
もし
全て
手離したら
後には
何が
残るだろうか