追憶の月
いつからか自分の足元は真っ暗で、
何も見えなくなった。
君が教えてくれた空の青さも、
森の緑も、
火の赤も、
雪の白も、
何も見えなくなった。
心でしか見えないものもあると君は言ったけれど、
闇の中を照らす光はどこにもない。
夜空を見上げても、
君はもう、どこにもいない。